最近の携帯電話は、音声だけでなく、文字、画像、映像の移動式情報収集・発信のメディアとして教育利用の大きな可能性を持っている。一方、グループ単位で学習する野外学習やクラス単位で実施する共同学習においては、子ども一人ひとりが主体的に行動し、自分の発見や感動したことをリアルタイムに表現し、他の子どもの発見や情報と比較し合って考えることがますます重要になる。そこで、私たちは、
a)携帯電話を最大限学習に役立てる学習支援システムを開発すること
b)教育的な意義のある実践を数多く試行すること
をとおして、教育現場における携帯情報端末(携帯電話)利用の有効性を示すことを目的としたプロジェクトを立ち上げた。
本研究プロジェクトでは、まず昨年度に、携帯電話とWWW技術を組み合わせたユビキタス学習支援システムを開発し利用できるようにした。この支援システムは、
1)子どもが1人あるいはグループに1台携帯電話を持ち、写真やデータ、意見を入力する
2) 携帯電話からの情報は、発信地が全国どこであっても、Webページを介してリアルタイムで教室のパソコンに表示される
3) 生徒はパソコン画面上で、自分たちの発信した情報を編集できる
4) 教室では、プロジェクターで投影したパソコン画面を皆で見つつ、発表やまとめ学習をすることができる
という要件を満たすシステムであり、その成果はすでにWebで公開している(http://jnk4.org/keitai-project/)。
さて、携帯電話は次世代に移りつつあり、ここ1年の間に、a)高精細な200万画素を超えるものを撮影・送信できるもの b)映像を併用したテレビ会議機能をもつもの c)GPSや音声録画、辞書機能をもつもの などさまざまな機能が付加されたものが市販されるようになった。また、d)パケット通信の定額制などが導入され、通信コストを気にせず、大容量の情報をやりとりできる など、機能的にもコスト的にも大きく発展している。
そこで、2004年度は、これらの新しい機能を活用し、精細な画像をも取り扱える情報交換システムにバージョンアップさせるとともに、植物や地域の風景の同時観測(分布調べ)、定点での植物成長の様子など、高精細画像の蓄積を要求される教育的な意義のある実践的なカリキュラムを開発することにした。
これらの実践をとおして、学習端末としての携帯電話の機能を明らかにし、今後の発展に寄与したい。
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